リーグ前半戦全日程を消化したジュビロ磐田。2017シーズン前半は勝点28の7位と昨年よりも1つ順位をあげて終えることができました。
今シーズンのジュビロは、チーム得点王だったジェイが退団したため、点を取れるストライカーの補強が急務でした。そこで白羽の矢が立ったのは名古屋グランパスに所属していた川又でした。
川又が移籍する決め手となったのは名波監督に言われた『ストライカーとしてお前が欲しい』という言葉と、中村俊輔の移籍でした。
中村俊輔の移籍はファン・サポーターにとってもサプライズな移籍となりました。この移籍が決まった瞬間はとても興奮しましたね。世界的なFKの名手である中村の加入は、チームにセットプレーという武器を与えてくれるだけではなく、若手選手のお手本となる貴重な存在となりました。磐田というチームが成長する上で、こういったベテランの加入はチーム全体に良い影響を与えてくれたのではないでしょうか。また、ボランチの選手としてウズベキスタン代表のムサエフを獲得するなど、積極的な補強を見せました。
さて、そろそろ2017シーズン前半の戦いを振り返ってみましょう。
フォーメーション
今シーズンの前半戦で採用したフォーメーションは以下の3種類でした。
シーズン序盤は4バックで臨みましたが、途中からは3バックに変更しました。3バックに変更した7節~12節は失点7でクリーンシートは2試合とやや安定感に欠けていましたが、3バックが定着してきた13節~17節は失点2でクリーンシートは4試合とかなり安定感が出てきました。
ここ数試合は3バックではあるが、守備の時は5バック気味になっているというのもあって、失点を抑えることができているのかもしれません。
また、ボランチの川辺とムサエフが効果的に中盤でボールを奪えているのも最終ラインに掛かる負担が軽減されている要因になっていると思います。川辺とムサエフの2人はリーグ屈指のボランチコンビに成長したのではないでしょうか?(個人的にはリーグ屈指といっても過言ではないと思います)
攻撃面では、序盤~中盤はワントップを採用していましたが、12節~は2トップを採用しました。ワントップの時は他の選手の上がりがなく、川又が前線で孤立しがちでしたが、ツートップに代えてからは川又が孤立するシーンが少なくなり、前線全体での連携が生まれて攻撃の幅が広がりました。
得点時間と失点時間
前半戦の得点時間と失点時間を15分毎に分割してグラフにまとめてみました。
得点数が多い時間帯は31-45分、46-60分、61-75分の時間で5得点と最も多くなっていました。失点が最も多い時間帯は61-75分の間で4失点でした。今シーズンは走行距離が多くなっているので、疲れて足が止まりそうになるこの時間帯の失点が多いのかもしれませんね。
では、昨シーズン前半はどうだったのか得点時間と失点時間を確認してみたいと思います。
得点時間は16-30分の時間帯が6得点で最多、その次に61-75分の時間帯が5得点で続いています。失点時間は、後半開始直後の46-60分の時間帯が7失点、その次が76-90分の時間帯でした。後半開始15分と終了前の15分という最も失点しやすい時間帯に大量失点をしていたことが分かりました。
得点時間の比較
先程は昨シーズン前半と今シーズン前半の得点時間を別々のグラフに載せていましたが、同じグラフにまとめてみました。
こうして並べてみると、0-15分、31-45分、46-60分の時間帯で得点が増えていることがわかります。このデータから先制点を奪ってから中盤で効率よく追加点を奪えていることが分かりました。
失点時間の比較
2016シーズン前半と2017シーズン前半の失点時間の比較をしてみたいと思います。
2016シーズン前半と比較すると、後半開始15分と終了前の15分で大量失点していたのが大きく改善していることが分かります。昨シーズンは後半に良く点を取られるという印象がありましたが、ここまで取られているとは正直思っていませんでした。
昨シーズン前半は、失点する時間帯に2つの山が出来ていましたが、今シーズンは61-75分の1つの山だけとなっています。
後半戦に向けて、この時間帯の失点を抑えることが出来れば、さらに勝ち点を拾えそうですね。
チーム内のゴールランキング
今シーズン前半の得点者は、昨シーズン前半よりも2人増えて10人となっています。ランキングは以下の通りです。
順位 | 得点者 | 得点数 |
1位 | 川又 | 6 |
2位 | アダイウトン | 4 |
3位タイ | 中村俊輔 | 2 |
川辺 | 2 | |
ムサエフ | 2 | |
松浦 | 2 | |
大井 | 2 | |
8位タイ | 櫻内 | 1 |
森下 | 1 | |
上田 | 1 |
ジェイが抜けた穴を埋めることが出来るか心配されましたが、エースストライカーとして獲得した川又がチーム得点王となっていますので、穴をしっかりと埋めることができたのではないでしょうか。また、川又とツートップのコンビを組んでいるアダイウトンも4得点で2位となっています。アダイウトンはシーズン開幕直後は体が絞りきれていなかったのか、身体が重そうでしたが、ここ最近は自慢の快速を生かして相手守備陣の裏を付く嫌な存在となっています。
後半も川又とアダイウトンの二人には得点を重ねてもらってチームを引張って行って欲しいところです。川又にはシーズン15ゴールは決めて欲しいところです。
最後に
昨シーズンよりも得点が増えて、失点は減るといういい状況で前半を終えることが出来ました。このまま好調を維持して目標である勝点40を早く達成して更に上の目標を目指せるように頑張って欲しいところです。
ただ、昨シーズンは後半戦で僅か2勝しかできませんでした。現在の攻撃陣は好調を維持していますが、川又かアダイウトンのどちらかが怪我をしてしまった場合、FWが足りない状態となってしまいますので、補強の検討をした方がいいような気がします。
昨シーズンは、小林祐希がシーズン途中に移籍してバックアッパーがいないためにかなり苦労しましたよね。FW陣が好調な今だからこそ、しっかりと補強について考えてもらいたいところです。
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