FW陣が覚醒したジュビロ磐田はホームで6得点を決めて金沢に完封勝ちを収める

2020年8月24日 2020年8月24日

試合の振り返りと感想

　この試合でも2度の決定機を外していたので、またワンチャンスを決められて先に失点するパターンかしらね・・・と思ってしまったわけですが、3度目の正直を小川航基が決めてくれましたので、そんな事態には陥らずに済みました。そこからあれよあれよという間にゴールが決まっていき、気が付けば6得点を奪って勝つという、まさに大勝というにふさわしいゲームでした。

　さて、前節の町田戦から3バックを採用して戦っているジュビロでしたが、この前の試合では攻撃の連携がうまく機能せずに得点を奪うことが出来ていませんでした。そこから中3日の短い期間にどういった修正を行うか注目していたのですが、別のチームですか？？と見違えるほどの変貌を見せてくれましたね。

　前節と明らかに違ったのは、”高い位置から連動してボールホルダーにプレスを掛けに行く”、”攻守の切り替えを素早くする”という点です。前節は相手のボールホルダーにプレッシャーを掛けに行くにしてもバラバラに行くことが多く、また、功から守への切り替えが遅いため素早くボールを奪うことが出来ていませんでした。ところが、この試合では、攻守の切り替えを素早く行い、前線の3人＋ボランチの2人がうまく連動することで高い位置からボールを奪うことが出来ていました。

　4バックを採用していた時は、ボランチの1枚が最終ラインに入って守備に回っていたため、中央の枚数が少ないため、相手に数的優位を作られることが多く、うまくセカンドボールを拾うことが出来ていませんでした。
　しかし、この試合では奪われた瞬間に前線の選手がボールホルダーにプレスを掛けに行き、相手の攻撃を遅らせると同時に縦のパスコースを切ることで前にパスを出させないということがきっちり出来ていました。
　最初に小川航基が縦へのパスコースを切りに行って相手に横にパスを出させ、2列目のルキアン、大森が更にプレッシャーを掛け、その動きに連動したボランチの2人も相手に襲い掛かってボールを奪うという形が上手く機能していました。

　この試合で奪った6得点のうち、4点はチーム全体で高い位置から連動してボールを奪って素早く攻撃を展開したことで生まれたゴールでした。

　これまでの試合では、誰がプレスを最初に掛けに行くのか、どの位置に追い込んでボールを奪うのかが明確になっていませんでしたが、この試合では前線の選手がプレスを掛けるタイミングと意図をしっかり理解できていたように思います。

　選手を交代したタイミングで、プレスの掛け方に綻びが出ないかと心配しましたが、途中から入ったメンバーでも問題なく金沢の攻撃を封じて、高い位置からボールを奪えていました。

　攻撃面での変化ですが、ウイングの選手が中に絞った時に大外に出来たスペースをCBの伊藤と藤田が上手く使えていたこと、相手を引き付けてスペースを作る動きを大森以外の選手もできるようになっていたことが挙げられます。

　スペースを作る動きで印象に残っているのは5点目のシーンです。藤田のパスから攻撃のスイッチが入ったのですが、松本にボールが入った際、櫻内が中に絞って大外にスペースを作る動きを見せました。この空いたスペースを使って松本がドリブルでボールを運ぶと、起点のパスを出した藤田が大外をオーバーラップして駆け上がり、ゴールライン手前からクロスを供給してルリーニャの2点目に繋がりました。

　今後も囮となる動きでスペースを作ることが出来れば、得点を量産することが可能だと思いますので、継続してやってほしいところです。