
ダービーの1失点目は攻めようとしている最悪のタイミングでボールを奪われてしまい、僅か50秒という時間でゴールを決められてしまいました。
上原が簡単にボールを奪われてしまった時点で、相手がかなり優位な形でショートカウンターを行える体勢になっていたわけですが、その後の対応の仕方を変えていれば、ゴールを奪われなかった可能性もあるのではないかと考え、自分なりに分析をしてみました。
まずは、失点シーンを振り返ってみましょう。
あのタイミングでプレスは必要?他の解決策はなかったか
相手陣内の右サイドで獲得したスローインを櫻内が入れると、上原にボールが渡る。
上原は中へドリブルを開始するが、足元に意識を集中していたのか、背後からドウグラスがプレスバックに来ていることに気がついていない。ここでプレスを掛けられると思っていなかったため、体を当てられると簡単にボールを奪われてしまう。
ボールを奪ったドウグラスはドリブルでジュビロ陣内へ侵入すると、左サイドでDFラインの裏へボールを呼び込んでいた北川へ大井がプレスを掛けてくる前にパスを出す。
北川の前には大きなスペースが空いており、PA手前までドリブルでボールを運び、エリア手前からファーを狙ったシュートを放つ。このとき、左サイドから森下が空いているスペースのカバーに走りこんだが、距離が離れていてカバーは出来なかった。
北川のシュートを防ぐため、カミンスキーが飛び出しましたが、ニアにシュートを打ってくると予想していたため、右に重心が掛かった状態になっていましたので、ファーへ打たれたシュートに反応するのが一瞬遅れたことでシュートを完全にブロックすることが出来ませんでした。
さて、失点シーンを振り返る上でボールを奪われた際のポジションを確認しておきましょう。
最終ラインには、大井と森下の2人が残っており、相手の2トップと2対2の状況です。相手が非常に有利な状況です。
周りの仲間が戻ってくる時間を稼ぐために、相手の攻撃を少しでも遅くしたいところですが、大井は途中でラインを下げるのをやめて、ドウグラスへ下図のようにプレスを掛けにいきます。
ここで疑問に感じたのは、“大井はプレスを掛けにいく必要があったのか?”ということです。
大井には“ドウグラスをマークしろ”という指示が当然出ていたと思いますが、このタイミングで大井がプレスを掛けに行くのはリスクが大きかったように思います。
なぜなら、大井がプレスを掛けるために中へ絞ったことで、北川の前にはさらにスペースが出来ることになるからです。
北川の状況が見えていたかは分かりませんが、あのタイミングでプレスを掛けに行ってもドウグラスとは距離が離れていますので、プレスを掛けにいくメリットはなかったはずです。どうしてもプレスを掛けに行くのであれば、大井ではなく、左サイドの森下が中へ絞ってプレスを掛けに行く方が良かったと思います。
もう1つの疑問点は、”なぜオフサイドを取りに行かなかったのか”という点です。
大井が中へ絞ってドウグラスへプレスを掛けにいこうとしたタイミングで、森下は空いたスペースのカバーをするため、斜めに走り出そうとしました。しかし、そこのカバーに行っても北川とは距離が離れすぎていますので、ボールが渡った後にプレッシャーを掛けること不可能です。
では、どうすべきだったかと言えば、無理にカバーへ行くのではなく、ラインを戻してオフサイドに北川を嵌めることが最善の策だったと思います。
実際に似たようなシーンが23分にもありましたが、この時は大井の後ろにいた森下がパスが出る前にラインを戻して上手くオフサイドを取っています。
チグハグな守備が無ければ、シュートまで持ち込まれたとしても失点を防げたかもしれません。
最後に
直近の失点シーンを見ていると、なんでそこにスペースが出来ているんだ!という危険なところががら空きになっていることが良く見られます。空いたスペースを誰がカバーするのかといった基本的な取り決めを再確認して、強固な守備を早急に取り戻して欲しいところです。
にほんブログ村に参加していますので、バナークリック応援をお願いします。