4月1日に行われたジュビロ磐田VS浦和レッズ戦で大井がPA内でハンドを取られて相手にPKを与えたシーンがありました。
そこで、この一連のプレーがどのように始まったのか確認してみることにしました。
PKになるまでの流れを確認
西川のゴールキーパースローからプレーが始まり、ジュビロは相手陣内でボールホルダーに対して積極的にプレッシャーを掛けていました。そのため、浦和は縦にパスを入れることができず、バックパスや横パスを繋いで縦パスを入れるタイミングを探していました。
6:05に青木は戻りながら味方のパスを受けて、自分の近くにいた川又と山田から3~4m程遠ざかります。このとき、一瞬背後を振り返って前にスペースがあることを確認しています。
6:08に反転して前を向くと、川又との距離は離れたままなので青木には全くプレッシャーが掛かっていません。目の前には大きなスペースが出来ていましたので、縦パスを容易に通せる状況でした。
一方、パスが出る前のジュビロ側の守備を見てみると、ボランチの上原は長澤にパスが出てくると思い、興梠から離れて長澤への間合いを詰めに行こうとしていました。
上原が長澤の方向へ身体を動かそうとしたのを確認した青木は、上原の背後でフリーになった興梠へパス。
パスを受けた興梠は、ワンタッチで浮き球のパスを前線の武富へ供給。半身の状態でしたが、上手く胸トラップでボールを落とすと素早く反転して前を向き、左サイドを駆け上がってきた武藤へパス。
ボールを受けた武藤は、外側から追い越す動きをしてきた武富へパスを戻します。
左サイド深くまで侵入した武富はエリア内へクロスを供給しようとしますが、これに反応した大井がスライディングでクロスがあがるのを防ぎますが、手を大きく広げながらスライディングしていたため、腕に当たってPKを取られます。
ここで注目したいのは、クロスがあがる直前のエリア内の様子です。大井を除いてもジュビロの選手は7人居ました。浦和の選手は、ニアに1人、ファーに2人。状況的には中の人数はジュビロが有利です。
しかし、大井は武富が左サイドにパスを出した瞬間にサイドのケアへ行っていたため、中の人数どうなっているか確認する時間がありませんでした。そのため、武富に“クロスを供給されると決定機を作られる”と判断してスライディングブロックを行ったと推測できます。
スライディングブロックをするという判断は正しかったと思いますが、手を広げながらスライディングをしたのは不用意と言わざるを得ません。中には味方が沢山居ましたので、クロスを無理に止めに行くのではなく、味方に処理を任せても良かったのではないかと思います。
最後に
このプレーの元を辿っていくと、青木がプレッシャー無く縦パスを入れたところが起点となっています。このことからも分かる通り、相手がフリーの状態で、縦パスを入れさせる状況を作ってしまうと決定機を作られる確率が高くなってしまいますね。
このシーンも途中まではボールホルダーへプレッシャーを掛けにいけていたわけですが、後ろへ下がってパスを受けるという状況を作られた時にプレッシャーを掛けに行かなかったのは、改善する必要があると思います。
開幕時に比べれば守備の安定感は出ていますが、『休まない、休ませない』というコンセプトの徹底を図る必要がありそうです。
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