3週間ぶりに再開したリーグ戦で、ジュビロ磐田は川崎フロンターレとアウェイで対戦します。等々力陸上競技場で開催されたリーグ戦では2007年6月に勝って以来、勝利がありません。お互いに好調を維持した中で迎える一戦は、好ゲームが期待されます。
天気は生憎の大雨ですが、ピッチ上には水溜りも無く、ボールも良く転がっています。雨が強くなりすぎると視界が悪くなるので、その辺りが気になるところです。
現在、3試合連続で完封勝利を挙げている磐田。この試合も完封すれば、クラブ史上初の4試合連続完封勝利となります。果たしてクラブ新記録を達成することが出来るのでしょうか。
試合前に名波監督は、『連勝チーム同士の対戦だが、力はまだまだ我々が及ばないと思っているので、しがみ付いていく・喰らい付いていくゲームをしたい。ここは川崎劇場と呼ばれているので残り15分は集中しなければいけない』と話していました。
強敵が相手ですが、臆することなく向かっていき、13年ぶりの6連勝を達成したいところ。それでは、試合を振り返って行きましょう。
試合のフォーメーション
磐田はいつもと変わらぬ【3-4-1-2】のフォーメーションを採用します。試合前の記事で注目選手として名前を挙げた川又と川辺が躍動してくれるかどうかに注目したいですね。リーグ最小失点を誇る守備陣が強力な川崎攻撃陣を抑えてくれることに期待です。
川崎は【4-2-3-1】のフォーメーションを採用。前回対戦したときは、阿部、小林、エドゥアルドネットの3人にやられた印象がありますので、この3人の対処はしっかりとしたいところです。その他にも、司令塔の中村憲剛には要注意ですね。鋭いパスの供給、スペースがあれば自らミドルを打つなどしてきますのでしっかりとマークをして仕事をさせないことが重要です。
大雨の中で行われる試合となりますので、ボールのクリアをしっかりと行ってミスからピンチを作らないようにしたいところです。
前半戦の振り返り
2分 自陣でボールを奪った磐田は、川辺がドリブルで駆け上がり、左サイドを併走してきたアダイウトンにパスを通そうとするが相手DFにカットされる。
6分 アダイウトンが自陣からドリブルで駆け上がると、ハーフウェイライン付近で川崎DFに潰されてしまう。こぼれ球をムサエフが拾ってドリブルでゴール前まで持っていくが、上手く味方に繋げることが出来ない。
8分 磐田が先制点を奪う!ゴールキックからのこぼれ球を拾ったアダイウトンが失わないようにキープして、中村俊輔へパス。右サイドでボールを受けた中村は、川又へ素早くパスを送る。ヒールパスでペナルティーエリア内へ流すと、エリア内に走り込んで来た川辺がダイレクトで合わせてゴール左隅へシュートを流し込む。幸先良く前半の早い時間に先制することが出来た。
9分 宮崎が右サイドから挙げたクロスを櫻内が頭で折り返すが、味方には上手く合わない。アダイウトンがスライディングしてマイナス方向に折り返して、川又がシュートを放つが相手DFに当たってクリアされる。
12分 川崎がすぐさま反撃に出る!中村憲剛が左コーナーキックを蹴ると精度の高いボールが供給され、エドゥアルドが強烈なヘディングシュートを放つ。カミンスキーが反応して弾き出すが、こぼれ球にすぐさま反応したエドゥアルドネットがゴールへとシュートを叩き込み、同点に追いつく。
大雨のため、キャッチングが難しいので、弾き飛ばすという選択を選んだと思うが、飛んだ方向が悪かった。そこをしっかりと決めるエドゥアルドネットも流石としか言いようが無い。
この同点弾で川崎が更に勢いに乗って怒涛の攻撃を繰り出してくる。
14分 エウシーニョが大島へパスを供給。前を向いた大島が前線へパスを通すが、カミンスキーの足元へ直接行ってしまい、味方には合わない。
16分 右サイドで獲得したFKを中村俊輔が蹴るが、味方の飛び出しが早くオフサイドを取られてしまう。
17分 川崎陣内深くから谷口が前線へロングフィードを供給。エウシーニョが走り込んでペナルティーエリア右からグラウンダーのクロスを供給するが、DFにクリアされて味方には合わない。
18分 川崎は獲得した右コーナーキックからクロスを供給。磐田DFにクリアされるが、こぼれ球を小林が上手くキープしてシュートまで持っていこうとする。しかし、中村俊輔が身体を張って対応し、シュートまでは持ち込ませない。
22分の時点でのボールポゼッションは、川崎73%対磐田27%と圧倒的に川崎の保持率が高くなっている。
23分 磐田が久しぶりにシュートまで持っていく。ムサエフ→川辺とボールを繋いで、前線の川又へパス。ペナルティエリアギリギリのところでボールを受けた川又はワントラップから反転してシュートを放つ。シュートは惜しくもゴール左へと外れてしまったが、相手DFに当たっており、コーナーキックを獲得する。
24分 磐田が追加点を挙げる!左コーナーキックから中村俊輔が精度の高いクロスを供給。すると、マークを上手く外した櫻内がヘディングシュートを放ち、ゴールへ突き刺す。川崎が攻撃をする時間が長く続いていたが、ワンチャンスをものした磐田が貴重な追加点を挙げた。
30分 川崎が決定的なチャンスを作る。右コーナーキックから中村憲剛がクロスを供給。小林が頭で合わせたボールを谷口がうまくキープしてシュートを放つが、右ポストを直撃してゴールとはならない。
39分 中央でボールを受けた大島が左サイドの車屋へパス。車屋は前線へにクロスし、走り込んで来た小林が頭で合わせるが枠を捉えきることが出来ない。
44分 川崎にチャンスが訪れる。右サイドで阿部、小林、中村憲剛の3人が綺麗な三角形を作ってパス交換を行い、攻撃の形を作っていく。中村憲剛から阿部へのパスは通らなかったが、こぼれ球を小林が拾って前線へパス。抜け出した阿部がペナルティエリア右から強烈なシュートを放つが、カミンスキーがしっかりとセーブする。
この後も川崎が攻撃を仕掛けていくが、得点を奪うことが出来ずに前半は2対1とジュビロ磐田リードで終了。
前半戦の総括
前半戦を通したジュビロのポジション位置は、川崎が攻撃の主導権を握っているためいつもより後ろ目になっていた。ジュビロのアタッキングサイドは先制点を奪った右サイドからの攻撃が最も多い38%となっていた。
スタッツで最も驚いたのは、パス数ランキングで上位10人に磐田の選手が一人も入っていないことです。10位の小林が16本でしたが、ジュビロの選手はそれよりも低い本数しかパスを出せていないことになります。このデータを見ても、川崎がどれだけボールを保持して、しっかりと回せていたかが良く分かりますね。
ちなみに、ジュビロで最もパス数が多かったのは中村俊輔の15本。パスの方向を見てみると後ろ向きの方向が最も多い7本となっています。前向きに出されたパスは僅かに2本しかなく、よくこの本数で得点を奪うことが出来たなと感心してしまうレベルでパスが少なかったことが分かります。
ハーフタイムの名波監督のコメントは、『ゲームとしては、決して我々のゲームではない。パス本数も違うし、人の流動性も川崎の方が良く、躍動している。ここは喰らい付いていくしかない。』というものでした。
リードしているにも関らず、このようなコメントが出ていることからまだまだ、優位に立てているという状況では無いことが良く分かります。勝利を確実なものにするためにも、ダメ押しとなる3点目が早々に欲しいところです。
後半戦の振り返りは、『【ジュビロ磐田】敵地で5得点を奪い大勝!13年ぶりの6連勝を達成する その2』をご参照下さい。
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