スカパーで毎週金曜日21時にから放送されている『スカサカ！ライブ』で、鹿島アントラーズに所属していた岩政大樹氏が話を聞きたい人に会いに行く”今まさに聞く”という企画があるのですが、昨日の放送にジュビロ磐田の名波監督が出演していました。
その対談の中で今季のジュビロ磐田についてと自信の観察力について興味深い話をされていましたので、簡単にまとめてみました。
今まさに聞くの対談まとめ（前編）
Q.今季のジュビロの戦いぶりについて
A.出来すぎだなと思う。ポイントとして、新規加入選手が稼動も含めて期待以上の活躍をしてくれた。昨シーズンから我慢強く3バックをやってくれた。
今季、来季以降にオプションの1つとしても、もちろん主力のシステムとしても採用を頭に描いていた中で非常に我慢強くやってくれた。
そこに今シーズンは新規加入選手が上手く嵌り、トレーニングの意識付けも非常に反応が良かったので結果は多少出るんじゃないかと感じていた。
ただ、目標にしていた『得失点プラスゼロ以上、順位真ん中ぐらい』と比べると出来すぎだなと思う。
Q.守備からサッカーを作っているわけではなないと思うが、失点が少ない要因は？
A.簡単にこれだという答えはないし、明確な結果が出た理由付けも今は頭に浮かばないが、コンパクトにするという観点で就任した1年目はやっていた。
それをベースに就任1年目から色々な肉付けをしてきた。最初は『ボールアプローチを早く潰しに行こう』、『密集を早くしよう』からスタートして、次は『分散の質をあげていこう』、今度は『縦の幅と横の幅のサイズ調整を月毎、年次ごとにやってきた』それが徐々に数字に現れてきた。
特に強豪クラブに対する”コンパクトさ”というのが試合結果と共にいい方向に出ている。そういったフィードバックが自信に繋がっている。
もちろん最後のところで体を投げ出すというところまでやり切れるのが大きな要因かなと思う。
Q.中村俊輔の存在と化学反応について
A.俊輔が入ったことで、プレーを見て学ぶ姿勢、やっていること考えていることを盗む姿勢そういったものがチームに生まれると思っていた。
トレーニングの中で見て学ぶ。終わった後の居残り練習を『中村、やめろ』と言うまでずっとやっている。（そういった姿を見て）選手達が感じ取って自分達の課題やストロングポイントを伸ばそうという気持ちになる。その姿勢で十分。
Q.選手時代から色んなところを人よりも見てるなと思っていた？
A.人が見てなさそうなところを粗探しじゃないんだけど、見逃したくないというのは今でも感じる。
中学時代から『自分はフィジカルが無い、体のタイプもそんなでも無い。技術も飛びぬけてない』って考えたら自分はパスで生きていくしかない。
ということは、受け手を探さなきゃいけない。1択ではなく、2択、3択とアイデアを持っておかなきゃいけない。じゃないと俺は生きていけないだろう。
（そういった考えがあったから）高校の時は『それじゃ大学で生きていけないだろう』、大学では『それじゃプロでは生きていけないだろう』と常に上のカテゴリーを見ながらやっていた。
生きていく術として自分のストロングはここだけど、『自分を出していくためには？』って考えていくとそういうところ（周りを見ること）に行き着いた。
感想
名波監督がジュビロの監督に就任してからどのように考えてチームを作っていったのかという一端が分かる内容でしたね。
今のジュビロのスタイルが出来上がってきた背景には月単位、年単位で考えてトレーニングを行い、目標を正しく設定して選手に浸透させてきた結果だということが良く分かります。
監督というのは、”結果が出なければ短期間で首を切られる”という厳しい世界ですが、『名波監督が上手くチームを育ててくれる』とフロントが信じてくれているからこそ長期計画に沿った経験の積み重ねをすることが出来、”今季の躍進という大きな花が咲いた”と言えるのではないでしょうか。
対談の中では中村俊輔の稼動について『リーグ戦だけで30試合行きそうだが、その稼動は想定外。頑張って25試合くらいかと考えていたが非常にいい稼動をしている。』という話が出ていました。
獲得をした時は、『40近いおっさんをとってどうするんだ？』という声もあったようですが、ジュビロにとって”中村俊輔がチームに加入”したことは大きな財産となりましたね。
去年とは見違えるようなチームへ成長したジュビロ。今季は残り2試合となりましたが、これからもいい成長を遂げて、ファン・サポーターを喜ばせて欲しいと思います。
Jリーグのクラブでは長期政権が中々ないですが、完成形のチームがどういう姿になるのかが非常に楽しみです。
来週の後編も面白い内容だったらまとめてみます。
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